このページではストーカーの歴史や分類、心理など、ストーカーに関するさまざまな情報をまとめています。
ストーカーとは?
ストーカーとは英語で「忍び寄る」という”stalk”(ストーク)に「~する人」という意味の「er」をつけて”stalker”(ストーカー)、つまり「忍び寄る人」ということになります。
本来の意味はともかく、日本では「恋愛感情をもとにつきまとう人」という意味で、現在ではほとんど日本語化していますが、平成11年に発生した「桶川ストーカー事件」をきっかけに世間一般に「ストーカー」という言葉と意味が認知されました。
翌平成12年には「ストーカー行為等の規制に関する法律」(通称:ストーカー規正法)が施行されたことで更に一般的な単語として定着し現在にいたっています。
海外に目を向けてみると、世界初のストーカー規正法は1990年(平成2年)のアメリカのカルフォルニア州。
きっかけとなったのは1988年におきた「ローラ・ブラック事件」といわれています。
エンジニアとして働くローラ・ブラックは、同僚の男リチャード・ファーレイから何度も交際を迫られ、いくら拒絶してもその「つきまとい行為」はエスカレートしていくばかり。たまりかねたローラは会社に相談し、会社はリチャードを解雇。しかし、ストーカー行為はエスカレート。ローラは3度も引越しをしたにもかかわらず、自宅には毎日のように手紙が届けられる状態。仕舞いにはどこで手に入れたのかコピーされたローラの自宅の鍵を、ローラの車のフォロントガラスに置くといった行動までとっている。ローラは弁護士に相談し、裁判所によってリチャードはローラに地被くことが禁止された。しかし、あきらめきれないリチャードはショットガンやライフルを持って会社に乗り込んだ。ローラはかろうじて一命を取り留めたが7人が射殺されるという凄惨な事件でした。
その後、1989年には「レベッカ・シェーファー殺人事件」が発生。新人女優のレベッカ・シェーファーが熱狂的なファンの男に付け回され、カリフォルニア州の自宅で射殺された事件。これはレベッカが映画でベッドシーンを演じたのが原因でした。
これらの事件が社会問題となり、1995年までにはアメリカのほぼ全ての州でストーカーを規制する法律が制定されました。
ストーカーのタイプ
ストーカーといってもいくつかのタイプがあり、それぞれにおいて対応の仕方は全く違うといっても過言ではありません。そんなストーカーのタイプは多くの著名な心理学者の先生が、それぞれ独自の視点でストーカーのタイプを分析していますが、このサイトではあえてストーカー対策のプロである探偵の目線で分類してみたいと思います。
ナルシスト型
このタイプは最も攻撃型のタイプで、支配欲が強く自己中心である上に自分は正しいという根拠のない自信を持っています。
別れようとしても「自分と別れるなんて許せない」というなんとも理不尽な理論。また、そもそも付き合っているわけでもなく、こちらに付き合う気が全くなくとも「自分と付き合うといっているのに断るなんて許せない」と、これまた信じられない理論。それが他人の迷惑になるということも全く意に介さないため攻撃的な行為も自分に従わないほうが悪いと本気で考える。
特に極端な発想になると、自分の邪魔をするあらゆる人間に殺意を持ったり、自分の手に入らないなら誰のものにもしないといった考えで相手本人を殺そうとしたり考える可能性がある危険なタイプ。
妄想型
周囲からすれば妄想に過ぎないことですが、本人は完全に真実と思い込んでいるタイプ。ストーカー以外でも稀に出会う事があるかもしれませんが、このタイプは平気でう嘘をつくのですが、不思議なことに本人は自分の嘘を嘘だと思っていません。というのも、自分の記憶にまで嘘をついてしまうので本人は嘘をついている自覚すらなく本気でそう思いこんでいるので始末に負えません。
おそらく自己防衛本能が異常に強く、自分の精神を維持するために都合のよい妄想を作り出し、自分の記憶すらすり替えてしまう。結果として周囲からすればそれが嘘となります。
このタイプはとにかく自分に都合よく「妄想」し、それを真実として疑わないので「拒絶」が全く意味をなしません。たとえば交際を断っても「これは試されているだけだ。もう一度告白されるのを待っているに違いない」といった妄想をしたり、「別れましょう」といって素直に別れることに同意したとしても、翌日には別れたことを全く記憶から消しているので「別れていない」と言い張るなどがその例。
中にはアイドルと本気で交際していると思っていることもあり、傾向としてはすべてのタイプの中でも最も「しつこい」タイプといえます。
もうひとつの問題は、どのような妄想になるかということです。
妄想の仕方によっては「ナルシスト型」のように反社会的行為も辞さないような恐ろしい妄想の可能性もあります。
たとえば
⇒彼女が会えないという
⇒それは彼女ではなく周りの家族が原因だ
⇒彼女を救い出せるのは自分しかいない
⇒暴力は悪いことだけど、捕まるかもしれない
⇒彼女のためなら僕にはできる
⇒彼女は僕に助けを求めているに違いない。
合っているのは一つ目だけです。
執着型
ストーカーの全体数からするとかなりの割合を占めているのがこのタイプ。上記の「ナルシスト型」や「妄想型」と比べて重大な事件に発展するケースは少数派といえます。そもそも、恋愛感情を理性でコントロールすることはそう簡単なことではなく、誰しも恋人と別れて泣きはらした経験の一度や二度はあるでしょう。このタイプの多くはちょっと度が過ぎたタイプといえます。
たとえば、学生のときにわざわざ遠回りしてでも好きな人の家の前を通って帰るとか、別れた恋人にもう一度やり直さないかと一度や二度電話してみるといったことはストーカーとまで言えることではないでしょう。普通はそこであきらめるものですが、あきらめきれずに継続してしまったことでストーカーとなるのがこのタイプ。
普通よりちょっとだけ執着してしまったり、それでも追いかけている自分に酔っているだけですので、ストーカーの中でももっとも解決しやすいタイプです。
ただし、このタイプにも常軌を逸した執着心を持つ人がいて、「ナルシスト型」や「妄想型」と同様に危険なストーカーに変貌する人もいますので注意をする必要はあります。
ストーカー規制法・今後の課題
リベンジポルノ
三鷹ストーカー事件で一気に問題視されるようになったのが「リベンジポルノ」です。
リベンジポルノとは、離婚した元配偶者や別れた元恋人の裸の動画や写真などをインターネットなどに流出させる嫌がらせ行為のことです。一度インターネットに流出した動画や写真はあっという間に広がり、完全に消し去ることはほとんど不可能に近いのが現状ですので、特に被害者が女性の場合、その被害は想像を絶します。
アメリカなどでは既に法整備がなされている州もありますが、カルフォルニア州で最高禁固6ヶ月若しくは最高1000ドルの罰金と、被害の重大さを鑑みても決して重いとはいえません。日本においては現行法上、直接リベンジポルノを対象とする法律はなく、わいせつ物布等の罪、内容によっては名誉毀損罪や侮辱罪、被写体が18歳未満なら児童ポルノ禁止法で対応することとなる。
政府自民党では2014年にリベンジポルノ問題に関する特命委員会を政務調査会に設置。関連法改正案の提出を目指す方針としているが、より早い適切な法整備が望まれています。
SNSはストーカー規制法の対象外
SNSとはソーシャルメディア・ネットワーキング・システムの略称で、日本においては「mixi」「GREE」「Mobage」「Ameba」など、世界的には「Facebook」「Twitter」「LINE」などがこれにあたります。
逗子ストーカー事件を機に、ストーカー規制法が改正されたことにより、それまで対象外であった「メール」が対象となりましたが、現時点ではSNSは対象外。
なぜSNSが対象外になったかはわかりませんが、立法が時代についていっていないといわれてもしょうがないですね。
現段階での対処法としては「内容」が脅迫にあたる場合は脅迫罪で、名誉毀損にあたる場合は名誉毀損罪でといったように、ストーカー規制法以外での対応をすることになります。
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