ストーカー行為等の規制等に関する法律 その5
ここからは警察等の機関が行う「警告」や「命令」以外の援助について規定されています。
第七条(警察本部長等の援助等)
警察本部長等は、ストーカー行為又は第三条の規定に違反する行為(以下「ストーカー行為等」という。)の相手方から当該ストーカー行為等に係る被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該相手方に対し、当該ストーカー行為等に係る被害を自ら防止するための措置の教示その他国家公安委員会規則で定める必要な援助を行うものとする。
本当にややこしいのですが、「ストーカー行為の相手方」とは「被害者」のことです。
この条文は、ストーカー行為をやめさせるため、自分でなんとかしたいという人のために、警察が協力しますよというもの。
具体的には国家公安委員会規則に列記されていますが、たとえば、話し合いをするための心構えなどの助言や、話し合いの場として警察施設の提供。ストーカー被害の防止等に関わる活動を行なっている民間組織の紹介等があります。
2 | 警察本部長等は、前項の援助を行うに当たっては、関係行政機関又は関係のある公私の団体と緊密な連携を図るよう努めなければならない。 |
そのままの意味ですが、最後が「努めなければならない」としてします。 |
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3 | 警察本部長等は、第一項に定めるもののほか、ストーカー行為等に係る被害を防止するための措置を講ずるよう努めなければならない。 |
4 | 第一項及び第二項に定めるもののほか、第一項の申出の受理及び援助の実施に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。 |
国家公安委員会規則によると、この申し出は規定の書面でも口頭でもできることが定められています。 |
第八条(国、地方公共団体、関係事業者等の支援等)
国及び地方公共団体は、ストーカー行為等の防止に関する啓発及び知識の普及、ストーカー行為等の相手方に対する婦人相談所その他適切な施設による支援並びにストーカー行為等の防止に関する活動等を行っている民間の自主的な組織活動の支援に努めなければならない。
第七条では警察による援助や協力が定められていましたが、この第八条では国や地方公共団体といった行政機関も、ストーカー行為の防止に関する活動を行う民間の活動に支援するように努力しなさいということですね。
2 | 国及び地方公共団体は、前項の支援等を図るため、必要な体制の整備、民間の自主的な組織活動の支援に係る施策を実施するために必要な財政上の措置その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 |
財政上の措置その他の措置ですので、前項の支援に必要な努力をするということですね。しつこいようですが、努力であって義務ではありません。 |
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3 | ストーカー行為等に係る役務の提供を行った関係事業者は、当該ストーカー行為等の相手方からの求めに応じて、当該ストーカー行為等が行われることを防止するための措置を講ずること等に努めるものとする。 |
ストーカー行為等に関わる役務の提供を行った関係事業者とは、ストーカーに協力するつもりはなかったとしても、その事業者のサービスが結果としてストーカー行為に加担することとなってしまったような場合、その事業者は当該ストーカーの被害者の求めに応じて、そのストーカー行為が行われることを事業者の事業の範囲内で阻止するための措置を講じるように努力しなければならないということです。 |
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4 | ストーカー行為等が行われている場合には、当該ストーカー行為等が行われている地域の住民は、当該ストーカー行為等の相手方に対する援助に努めるものとする。 |
ストーカー行為が行われている場合、その行為が行われている地域住民は被害者に対して援助するように努力してくださいということですね。ここでも「努力」としているのは、ストーカー被害者に援助することによって、その地域住民も被害を受ける可能性もあることからあくまでも「努力」、できるだけ援助してあげてくださいといった言い回しとなっています。 |