市川ストーカー殺人事件とは
平成25年11月27日、千葉県市川市の繁華街で22歳の女性が、子供と交際中の男性の目の前で刺された凄惨なストーカー殺人事件。
被害者の湯浅栞さん(22歳)は、20歳代の男性から復縁を迫られトラブルとなっており、9月に市川警察に相談。30歳代の別の男性とも金銭問題でトラブルとなっており同署が二人に警告をしているにも関わらず事件を食い止めることができなかった。
また、この事件では被害者の湯浅さんの居所を知らないものの、娘の通う保育園を知っていた容疑者が、娘の保育園を張り込み、タクシーで尾行した上での犯行ということも世間に衝撃を与えた。
事件概要
平成25年11月27日午後4時35分ごろ、千葉県市川市八幡二の歩道で通行人から「女性が刺されて倒れている」との110番通報があった。女性は駆けつけた救急隊員によって病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
亡くなったのは市川市大洲(おおす)在住の無職、湯浅栞(しおり)さん(22歳)。現場はJR本八幡駅と京成本八幡駅に挟まれた繁華街で、目撃者によると湯浅さんは娘(3歳)と二人で宝くじ売り場の前にいたところ、近づいてきた男に突然右脇腹を包丁のようなもので刺された。
湯浅さんと娘は同居している交際中の男性(35歳)と三人で出かけている最中で、湯浅さんが刺された時、男性は近くに停車中の車内にいて湯浅さんが倒れるのを目撃し車から飛び出した。湯浅さんと交際中の男性は近く結婚する予定だった。
目撃者によると「犯人は二十~三十センチくらいの文化包丁を持って逃げた」と話している。
刃物を持った殺人犯が逃亡中ということで、あたりはしばらく騒然となったが、翌28日に容疑者の岡逸人は逃亡先の八丈島に先回りしていた捜査員に逮捕された。
犯行に至る過程
湯浅さんが10代だった平成21年頃、当時ホステスとして勤めていた市川市のスナックに、容疑者の岡逸人(事件当時23歳)が客として訪れたことがきっかけで交際する事となる。ところが、1年ほど後に湯浅さんが他の男性の子供を身ごもったことを機に別れ、翌平成22年に娘を出産。その後二人は再開して同棲を始める。
しかしこの後、二人は再び別れることとなったが、復縁を求める岡容疑者との間でトラブルになった。
千葉県警市川署捜査本部によると、湯浅さんは平成25年9月に、2人の男性について計3回、「元交際相手(岡容疑者)から復縁を迫られ困っている。別の男性とも金銭トラブルがある」と同署に相談。
千葉県警はこの二人の男性にに対し、ストーカー規制法に基づいて口頭による警告をした。
そして、事件当日。
湯浅さんは午後4時頃、同居する交際中の男性とともに車で市内の保育園に迎えに向かう。保育園から尾行すれば湯浅さんの新居がわかるだろうとタクシーで張り込んでいた容疑者の岡は、この時点で事前に刃物を購入していたことも明らかとなっている。
湯浅さんの乗る車を発見した岡容疑者は、娘を乗せて発進する車を尾行するようにタクシー運転手に指示。
この時点で、なぜタクシー運転手はそんなことに応じたのか?といった疑問も持つ方もいらっしゃるでしょう。後の報道関係者による取材によるとタクシー運転書は、岡容疑者に「尾行してくれ」と言われので「どうしたの?」と聞くと「離婚しちゃって、子どももとられて、子どもに会いたいんだけど会わせてくれない」と言われたそうです。タクシー運転手もさぞ困ったことでしょうが、明確に犯罪などに関わるといった理由がなければ断ることは難しいでしょう。
湯浅さんら乗った車は、事件現場近くで停車。湯浅さんと娘の二人だけが下車し宝くじ売り場に向かうと、岡容疑者もタクシーを下車。岡容疑者は湯浅さんの右脇腹を刃物で刺し逃走。
事件後逃亡していた岡容疑者は、以前に情報をキャッチしていた警察が待ち伏せていた八丈島で逮捕されました。
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