ストーカー行為とは

説明する男性ストーカー規制法ができて以来、「それってストーカーよ!」などという言葉をよく耳にしますが、実はどのような行為が「ストーカー行為」に該当するかは法律によって定められています。
逆にいえば受け手側の気持ちとしては立派?なストーカー行為であっても法律上のストーカー行為に該当しないこともあります。
法律で定められた「ストーカー行為」は全部で8種類。以下の「ストーカー規制法」の第二条で実際の条文と解説で詳しくご説明しています。

ストーカー行為等の規制等に関する法律 その1

2000年施行「ストーカー規制法」男女の恋愛に関することは、国や警察の立ち入るところではない。そんな時代は平成11年に発生した「桶川ストーカー事件」で一変しました。海外での特殊な事例の一つといった程度にしか認識されていなかった凶悪な「ストーカー事件」が現実に日本で、それも最も最悪の形で発生したことが世論を、そして立法府を動かし施行された法律が「ストーカー行為等の規制等に関する法律」、通称「ストーカー規制法」です。
また、この法律は犯罪の構成要件に「恋愛感情や好意の感情」といった人の感情を入れたこともこれまでの法律にない特殊な法律といえます。
なお、本内容は「平成二五年七月三日法律第七三号」に改正された条文となっています。

第一条(目的)

この法律は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とする。 

説明する男性ストーカー規制法を定めた目的についての記述です。ストーカー行為を処罰することはもちろんのこと、これを未然に防ぐように警告や禁止命令といった援助の措置を定めることでストーカー被害を防止する目的である旨が記されています。

第二条(定義)

この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

ストーカー行為「恋愛感情」この部分が一つ目の「ストーカー行為」の構成要件を定めた部分です。
大切な部分は「恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」という部分。
大きく二つに分けます。まず、「恋愛感情その他好意の感情」ですね。説明するまでもないことですがなんら関心のない人間に対して行うことは含まれないということです。
次に「それが満たされなかったことに対する怨恨」。「それ」とは先の恋愛感情などですから、思いが遂げられなかったり好きな人に嫌われるといったことが結果として「恨み」になった場合を指します。

ストーカー行為「恋愛感情からの恨み」したがって、同じ恨みであっても、そこに根底として「恋愛感情そのた好意の感情」が存在なければストーカー規制法の対象外ということになります。
(もちろん、他の犯罪に該当する可能性はあります)

次のポイントがストーカー行為の対象者ですね。
好意を持っている相手はもちろんのこと、「その配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」としています。特に最後の「その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」については友人や知人、クラスメイトや同僚、近所のおじちゃんやおばちゃんなど、本人と密接な関係にあればどのような人物でも該当することになります。これは、過去のストーカー事件の被害状況を見ても、本人に関わる周囲のどのような人物であっても被害者になりうるからですね。

以下の(一)から(八)が二つ目の構成要件で、具体的にどのような行動がストーカー行為に該当するかが列挙されています。逆に言えば、以下に列記されていることでなければ「ストーカー行為」に該当しないことになります。記憶に新しい事件では「逗子ストーカー事件」では、当時のストーカー規制法(第二条五)に「メール」が記載されているなことで、ストーカー行為な該当しないことで、警察が十分な対応ができなかったことが問題となりました。

(一)

つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。

常に相手の行動を把握したいというストーカー独特の思考による、ストーカーの典型的な行動の一つです。ちなみに、2009年の警察庁生活安全局長の通達によると、「押しかけ」を被害者が在宅しているか否かに限らず、住居等の平穏が害される状態であったり社会通念上許容されないものと定義していますので、留守の間に何度も押しかけた形跡があるなども該当する可能性があります。

(二)

その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

ストーカー行為「監視していると思わせる言動」実際に前項のような監視行動をとるとらないに関わらず、そういった行為をしていると思わせたり、そのように感じる状態を作出することを指します。
たとえば、自宅に帰ると電話が鳴り、出ると「今日の服も可愛かったね」と言われることなどが該当する可能性があります。その日に会っていないはずの人が服装を知っているということは、監視をしているのではないかと容易に想像できるでしょう。

(三)

面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。

ストーカー行為「義務のないことの強要」これもストーカーの典型的な行為の一つ。拒否をしているにも関わらず、付き合うこと(復縁を含む)や会うことを要求することはストーカー行為にあたります。
もちろん、ストーカー行為以前に、義務のないことを強要する行為は強要罪という別の犯罪に該当する可能性もあります。

(四)

著しく粗野又は乱暴な言動をすること。

これも前項同様に、ストーカー行為以前に脅迫罪や暴行罪に該当する可能性がありますが、2009年の警察庁生活安全局長の通達によると、刑法のいう暴行脅迫に当たらないものも含まれるとし、、その程度の基準として「一般人から見て放置できない程度に強度」であったり、「場所柄をわきまえない相当礼儀を守らないぶしつけな言動又は動作」としていますので、こちらのほうがやや広い範囲をカバーできます。
具体的には、大声で「バカヤロー」と粗野な言葉を浴びせたり、家の前でクラクションを鳴らすことなどが挙げられます。

(五)

電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること。

無言電話や、拒否しているにも関わらず、短時間に何度も電話をしてきたり、FAXや電子メールを送りつけてくることがこれに該当します。
何度も電話するというのは、着信拒否などで音が鳴らなくとも、着信履歴などで連続して電話をかけてきたことが認められれば該当するとしています。
なお、この条文の「電子メール」という部分が、「逗子ストーカー事件」をきっかけに法改正により追加されています。

(六)

汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。

具体的には汚物や動物の死骸となっていますが、著しく不快に感じるたり、嫌悪感を感じるようなものを自宅や職場などに送りつけることを指します。

(七)

その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

誹謗中傷等、名誉を傷つけるようなことを告げたり、そのような内容の文書を送りつけるなどが該当します。「桶川ストーカー事件」では、被害者のお父さんの職場にまでこういった郵便物が届いたり、自宅近隣にビラが貼られるなどの被害があったそうです。

(八)

その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。

前項と同じようにお考えいただいて差し支えありませんが、こちらは「性的羞恥心を害する」といった違いがあります。たとえばワイセツな画像を送りつけてきたり、口頭はもちろん電話や手紙で卑劣な言葉を告げて辱めようとすることなどが該当します。
2009年の警察庁生活安全局長の通達によると、「刑法」でいうところの「わいせつ」にあたらないとしても、望んでもいないのに性的に恥ずかしいと思う気持ちを起こさせ、精神の平穏を害するようなものはこれに当たるとしています。
こうして見ると受け手にもよりますが幅は広いですね。

この法律において「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等(前項第一号から第四号までに掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすることをいう。

これが三つ目の「ストーカー行為」の構成要件を定めた部分です。
大事な部分は「同一の者に対し」と「反復して」の二ヶ所。
まず「同一の者に対して」ですので、たとえば今日は新宿で見かけたタイプの女の子を尾行した。一昨日は渋谷で見かけた別の子を尾行した。などといった人がいても、これはストーカー気質といってもいいかもしれませんが、ストーカー規制法上のストーカーには該当しません。
二つ目は「反復して」です。つまり、一度きりの行為は先の(一)から(八)に該当する行為でも対象外ということになってしまいます。
なぜここまで厳密にしなければならないのかと疑問に感じる方もいらっしゃるでしょうが、いわゆる男女間の痴話喧嘩などが原因で、一時の感情のもとにとったある程度の行動程度は、法で取り締まるものでなく当事者間で解決し、これがエスカレートし当事者間では解決できない状況になった場合のみ法で裁こうといった趣旨にも受け取れます。
しかし、昨今のストーカー事件をみても、最初のアクションで殺人を犯すような事例があることを鑑みると、より一層踏み込んだ法改正が必要と感じるのかたは多いことでしょう。

第三条(つきまとい等をして不安を覚えさせることの禁止)

何人も、つきまとい等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならない。

何故わざわざこのような条文があるのかわかりませんが、内容は第二条と同じことです。




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